チャーチの買取相場は?現行チャーチとオールドチャーチとの違い
イギリスの高級革靴ブランド『チャーチ(Church's)』は買取市場でも人気があり、買取相場も比較的高い水準を保っています。
今回は、チャーチの魅力や人気モデル、買取相場などをご紹介していきます。
オールドチャーチと呼ばれるヴィンテージシューズについても詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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チャーチとは?
『チャーチ(Church’s)』は、優れたコストパフォーマンスを実現している人気のイギリスの革靴ブランドです。
英国らしい質実剛健な靴づくりや、日本国内でもステータスシンボルとして確固たる地位を築いています。
優れたコストパフォーマンス
チャーチの靴はもちろん一般的な革靴よりは高価ですが、圧倒的な高品質に対して値段がリーズナブルなことから、コストパフォーマンスが非常に優秀といえます。
チャーチの革靴は、ほぼすべてが伝統的な製法で作られており、1足あたり8週間の時間をかけ、250もの工程を経て出荷されています。
昔も現在も変わらない丁寧なものづくりの精神が、高いクオリティの製品を生み出しているのです。
現在、チャーチの靴は7万円前後のものが多いですが、この品質に対して非常にお手頃な価格といえるでしょう。
左右の区別やハーフサイズ刻みでの展開
当時の靴は左右の区別のないものが多かったところ、チャーチは左右の区別がある靴を製造。そして、当時は珍しかったハーフサイズ刻みの展開を取り入れました。
このような功績が認められ、1881年の靴の展覧会では金賞を受賞し、高級革靴の代名詞的存在へと成長していきます。
オールドチャーチと現行チャーチの違い
オールドチャーチとは、チャーチのヴィンテージシューズの一部を指す言葉です。
チャーチは、1999年にプラダ(PRADA)財団の傘下に入っていますが、創業家チャーチー族で経営していた1999年以前の製品が「オールドチャーチ」と呼ばれています。
他にも、「旧チャーチ」や「プレプラダ(Pre-PRADA)」といった呼称もあります。
オールドチャーチの判別方法
オールドチャーチと現行チャーチは、中敷き(インソック)の印字で見分けることができます。
| 年代 | インソックに印字された都市 | 呼称 |
|---|---|---|
| ~1960年代 | 都市名の表記なし | ・都市なしチャーチ ・旧旧旧チャーチ |
| 1960年後半~1970年代 | LONDON、NEW YORK | ・2都市チャーチ ・旧旧チャーチ |
| 1980年代~1999年 | LONDON、NEW YORK、PARIS | ・3都市チャーチ ・旧チャーチ |
| 1999年~2013年 | LONDON、PARIS、MIRAN、NEW YORK | ・4都市チャーチ ・現行チャーチ |
| 2013年~ | LONDON、PARIS、MIRAN、NEW YORK、TOKYO | ・5都市チャーチ ・現行チャーチ |
上記のように、インソックに印字された都市の数によって年代・呼称が異なります。
「オールドチャーチ」「旧チャーチ」といえば、1980年代~プラダ買収前(1999年)までに製造された3都市チャーチのことを指す場合が多いです。
3都市チャーチは、状態の良いものも少なからず存在するため、探してみる価値はあるでしょう。
中古価格は4~5万円ほどが相場ですが、かなり状態の良いものやレアなものは7~8万円ほどの値がつけられていることもあります。
都市なし・2都市チャーチは現在オークションや古着屋でもなかなか見かけることがなく、見かけたとしても経年劣化によって状態の悪いものが多いようです。
オールドチャーチの魅力
ではなぜオールドチャーチが高く評価されるのか、その理由を見ていきましょう。
革質が良い
革質の好みは人それぞれではありますが、オールドチャーチの革は現行チャーチよりも磨いたあとに強く光りやすく、革の質が良かったとされています。
もちろん革には個体差があるため、昔の革のほうが必ずしも良かったとは言い切れませんが、畜牛の肥育条件や鞣(なめ)し工程の効率化など、さまざまな要因により年々質の良い革が手に入りにくくなっていることは事実です。
旧チャーチで使用されていた上質なブラッケンアニリンカーフやブックバインダーカーフは、イギリスのタンナー(皮革メーカー)であるピボディ社のものとされています。
しかし、奇しくもプラダ買収と同年の1999年にピボディ社は廃業しており、これらの革を使ったモデルは二度と手に入りません。
このようにオールドチャーチの高い希少性が、人々を魅了する理由の一つと言えるでしょう。
オールドチャーチにしかないラスト
チャーチの伝説のラスト(木型)となっているのが、73ラストです。
ディプロマットやコンサルなど、ドレスシューズ用の木型として長きにわたり使われてきた歴史があり、オールドチャーチといえば73と言っても過言ではありません。
また、現行チャーチは73ラストなどの代表的かつ人気のある木型をモディファイして作られています。
プラダ買収後、このラストにメスを入れて100ラストから現在の173ラストと現代的な木型へとアップデートを繰り返してきましたが、古き良き趣のあるかつての73ラストに思いを馳せるファンも多いようです。
しかし、73ラストを含む廃盤ラストは、まったく用いられていないわけではなく、ごくまれにショップの別注やシーズン限定などで復活することがあります。それでも、いつでも手に入ることはないレアなラストであることに変わりはないでしょう。
チャーチの定番・人気モデル
ディプロマット(Diplomat)
内羽根セミブローグの定番、”ディプロマット”は「外交官」という意味があり、かつて英国の外交官たちが好んで履いていたことからその名がつけられたとされています。
すっきりとした普遍的なシルエットでありながら、華やかで優美なデザインが魅力。
丸すぎず角張りすぎないバランスの良いトゥが特徴的で、上品でクラシックな173ラストを採用しています。
コンサル(Consul)
「領事」という意味を持つ”コンサル”は、内羽根ストレートチップシューズを代表する傑作とも言われる定番モデルです。
優美なフォルムとトゥキャップの絶妙なボリューム感のバランスが良く、ビジネスや冠婚葬祭など、あらゆるシーンに最適だと言えるでしょう。
また、現モデルは173の木型を採用しています。
チェットウィンド(Chetwynd)
チャーチの内羽根フルブローグの定番、”チェットウィンド”は、装飾のあるブローグシューズの中でもカジュアルさが感じられるモデルです。
カントリー靴が起源となったモデルで、つま先に施されたW字の装飾など、よりデザイン性が強いことが特徴的です。
173ラストを採用しており、ディプロマットとコンサルとともにチャーチのドレスシューズベスト3と称されています。
バーウッド(Burwood)
チェットウィンドと同じ内羽根フルブローグのモデルで、ボリューム感のあるエッグトゥが特徴です。
1950年から現在まで続くロングセラーラスト81を採用しており、丸みを帯びたシルエットが印象的。
カントリーシューズのようなテイストや、雨に強いポリッシュドバインダーカーフの採用により、カジュアルシーンでより活躍してくれます。
シャノン(Shannon)
外羽根プレーントゥの定番でチャーチを代表するモデル、”シャノン”。
デザインはシンプルですが、ボリューム感のあるアッパーとダブルソール仕上げが個性的で、メンズだけでなく女性の愛用者も多いモデルです。
水を弾くポリッシュドバインダーカーフを採用し、雨用の革靴として雨雪やホコリも防ぐだけでなく、ほぼケアフリーなところも魅力。
ラストは103を採用しており、定番の173よりもトゥの丸みが強いのが特徴的です。
チャーチの買取相場
| モデル名 | 買取相場 |
|---|---|
| ディプロマット | 10,000円〜30,000円 |
| コンサル | 10,000円〜40,000円 |
| チェットウィンド | ~30,000円前後 |
| バーウッド | ~20,000円前後 |
| シャノン | ~10,000円前後 |
前述したチャーチの定番・人気モデルは比較的高い水準となっており、新品や状態の良いものになるとさらに高値がつく可能性もあります。
多少使用感のあるものでも、1万円前後の買取価格が期待できるため、チャーチの革靴はそれほど高い評価を得ていると言えるでしょう。
まとめ
- 優れたコストパフォーマンスが魅力の英国革靴ブランド「チャーチ」は、左右の区別やハーフサイズ刻みを取り入れた先駆者である。
- 旧型ならではの革質やラストが高く評価されているオールドチャーチ(旧チャーチ)は、年代ごとに印字や呼称が異なり、状態によっては高値がつくこともある。
- チャーチの定番・人気モデルは高値がつきやすい傾向にあり、多少使用感があるものでも需要があるといえる。