ソニアリキエルの買取相場は?”ニットの女神”が残した功績とは
フランスで誕生したソニアリキエル(SONIA RYKIEL)は、ニット製品を中心に、服に自由を求める女性たちのためのアイテムを展開しています。
多くの功績を残したソニアリキエルは経営不振で一度ブランドが終了してしまいましたが、ある理由から復活を遂げ、今後の動向に注目が集まっています。
今回は、ソニアリキエルの歴史や偉大な功績、買取事情などをご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ソニアリキエルはどんなブランド?
1966年にソニア・リキエルが自身の名を冠したブランド『ソニアリキエル(SONIA RYKIEL)』を立ち上げたことからスタートした、フランスのファッションブランド。
ニットを得意としていたブランドであったことから、創業者のソニアは”ニットの女王”と呼ばれていました。
パリの人気エリアであるサンジェルマン・デ・プレをイメージさせるパリジャン・スタイルが特徴的。派手すぎず地味すぎないデザインは、着る人を引き立て、存在感を出してくれる力強さが感じられます。
ブランド設立のきっかけ
20歳で結婚し、当時専業主婦だったソニア・リキエルは、妊娠中に自分が着たいマタニティウェアが見つからなかったことから、自分用のマタニティドレスやセーターをデザイン。このことがソニアがデザイナーとなるきっかけとなりました。
当時のマタニティウェアは日常着としての認識しかなく、デザインや種類も上等なものではありませんでした。
ソニアが作った実用的でモダンなマタニティウェアは友人たちにも評判が広まり、当時の夫ポルト・ドルレアンが経営していたブティック「ローラ」で販売をスタート。
自ら着ていた服がジャーナリストの目にとまり、フランスのファッション雑誌『ELLE』の表紙に掲載され、たちまち名声を得ることとなりました。
そうして1966年には自身のブランド『ソニアリキエル(SONIA RYKIEL)』を設立し、1968年にはパリのサンジェルマン・デ・プレにブティックをオープン。
これがブランドのデビューとなり、ニット生地のトータルルックを中心に、女性視点から着やすく動きやすいコレクションを提供していきます。
ブランドの変遷史
1969年には、パリの左岸にも店舗を開店。急成長を遂げたソニアリキエルは、アメリカや日本などの海外にも支店網を広げていきました。
ソニアにはマネージメントの才能もあり、自社ブランドを取り扱う店舗を世界中に広げ、自社ブランド製造のライセンスも各国のアパレル会社と契約し、フランスの高級既製服の大衆化に成功します。
1986年からは子供服「ソニア・リキエル・アンファン」や、化粧品ライン「ナイト&デイ」、価格を抑えたディフュージョンライン「アンスクリプション・リキエル」、メンズライン「リキエル・オム」の展開など、新たな市場を開拓していきます。
ブランドシリーズを世界中に展開し、ソニアリキエルは1983年にフランス文化省から芸術文化勲章を受勲、2009年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を受勲します。
晩年には、ソニアは実質的なメゾンの経営は娘に任せ、映画出演や小説の発表など異なる分野でも活躍しました。
ブランドの終了と復活
2016年には創設者であるソニア・リキエルが死去し、2018年の秋冬コレクションでソニアによるコレクションの展開は終了。
翌年の2019年7月には経営不振のため破産することとなり、ブランドの終了が発表されました。
しかし、2019年末に大手ファッションECサイト「ショールームプリヴェ」の共同創業者であるエリックとミカエルのダイヨン兄弟がブランドを買収し、ECサイトとして復活。
経営不振に陥った原因は顧客層の高齢化やグローバル展開とデジタル化の遅れと指摘されていたことを踏まえ、ダイヨン兄弟はこの弱点を補って、若年層を対象にブランドのリポジショニングを狙うこととしました。
若者をターゲットに立ち上げたSNS(Instagram)はフォロワーが60万人を超えており、今後の展開が注目されています。
ファッション史における功績
創業当時の世相では、ニットファッションはカジュアルな普段着や家庭着という認識が強く、あくまでファッションの脇役という立ち位置でしかありませんでした。利便性や着心地よりも外見上のファッション性やスタイルが重視されてきた歴史が長く、ニットやジャージ素材は日常着という風潮が強かったのです。
それを高級ファッションとして昇格させ、スマートでモダンなおしゃれ着に変革させたのがソニアリキエルでした。
代表的なボーダー柄ニットドレスや、裏地や縫い目をわざと表に出した服、裾の折り返しがない服など、これまでの既成概念を覆すような服も提案。それでいて、どれをとっても着やすく動きやすい、女性視点から考慮されたアイテムに仕上がっていることも魅力です。
とくに彼女の生み出すニットは、女性のネックラインやウエストから腰までの官能的なラインが魅力的で、他のブランドの追随を許さないほどでした。その貢献から、たびたび「ニットの女王」や「現代のココ・シャネル」とも呼ばれています。
ソニアリキエルの注目アイテム
ソニアリキエルが誇るニット製品の中から注目アイテムをいくつかご紹介していきます。
マルチカラーニットドレス
上品なマルチカラーデザインのニットドレスです。すっきりと見えるリブデザインは、女性のボディーラインを美しく演出してくれます。
タートルニット
ホワイトのラインが特徴的なデザインニットです。女性の身体を美しく包み込むような形のクロップド丈はトレンド感も抜群です。
ソニアリキエルの年齢層
買収前のソニアリキエルは30代~50代以上が主な年齢層だったとされています。
買収後の新生ソニアリキエルはそれよりも若年層向けとなりましたが、これまでのブランドのカルチャーやスタイルは踏襲されており、ソニアリキエルらしさを十分に堪能できます。
現在は若年層向けとされてはいますが、デザインによっては30代・40代以上の方も楽しむことができます。
着なくなったら買取がおすすめ
とはいえ、デザインに飽きたり服の好みが変わったりして着なくなることもあります。そんなときは買取がおすすめです。
ソニアリキエルは、ブランドのイメージや価格帯からすると、買取価格はそれほど高くなく、1,000円~4,000円ほどで買取されていることが多いです。
しかし、コートやワンピース、バッグは5,000円~1万円以上で取引されているものも多く、他アイテムより少し高くなる傾向にあります。
買取市場では、アイテムのコンディションによって査定額が大きく変動します。とくに服やアクセサリーなど肌に直接身につけるものはその影響を受けやすいため、汚れやホコリが付着しているものは事前にきれいにしておくことが大切です。
まとめ
- ソニアリキエルは、「ニットの女王」としてニットファッションの立ち位置に変革を起こし、スマートかつモダンなデザインや着やすく動きやすいアイテムが魅力。
- 一度経営不振によりブランドが終了してしまったが、ダイヨン兄弟が買収したことで復活し、若年層向けのリブランディングに注目が集まっている。
- 買取市場でも、コートやバッグなど人気のアイテムは高く売れているケースもある。