反物は着物よりも需要がある？高額買取につなげるポイント

反物とは？

反物とは、着物を仕立てるための布地のことで、巻物のようにまとめられていることが多いです。

大人の着物を1着仕立てられる大きさを「一反」といい、縦の長さが約12m、横幅が約37cmほどのものが一般的です。

女性なら身長170cmほど、男性なら身長190cmほどまでの着物を仕立てることができます。

反物が着物より高く売れる理由

反物は、状態や素材によっては着物よりも高値で買取してもらえるケースも少なくありません。

その理由は、加工のしやすさや用途の幅広さにあります。

通常、仕立てた後の着物はサイズ変更が不可能です。大きい着物であれば需要がありますが、小さい着物は着られる人が限られてしまうため、どうしても需要が低くなりがちです。

一方、反物は仕立てる前の未着用の状態であるため、新しい着物をつくったり、和小物を製作したりなど、活用方法は無限大です。

反物の買取相場

反物に限らず、中古市場の買取相場は品物の状態や希少度などによっても変動しますが、どんなものにもほぼ必ずベースとなる相場は存在しています。

反物の相場の目安は以下の通りです。

反物の種類	買取相場
一般的な反物	～3万円
正絹	～4万円
結城紬	～10万円
大島紬	～20万円

反物は、素材や状態、作家物であるかどうか、どこで織られたものかなど、場合によって価値が変わりやすい商材です。

上記の相場価格から大きく外れることはあまりないかもしれませんが、まれに査定額が100万円を超えるような高級品も存在します。

このように、買取価格の振れ幅が大きいのが反物の特徴のひとつです。

高く売れやすい反物の特徴

反物は、素材や作家など、さまざまな要素によって買取価格が大きく変わってきます。

ここでは、高く買い取ってもらいやすい反物の特徴を4点ご紹介していきます。

素材が正絹

反物の素材には、絹・木綿・化学繊維・麻・ウールなどがありますが、一番高値がつきやすいのは絹を100%使用した反物です。

混じりけのない正絹でできた反物は一番の高級品とされており、優れた通気性と光沢を兼ね備えています。

蚕の繭を紡いでつくられた正絹はそのものの価格が高いため買取価格は高くなりやすいですが、非常に繊細な素材であるため、保管方法には十分注意する必要があります。

一方、ポリエステルなどの化学繊維でつくられた反物は、供給の多さに対して需要が低いため、高価買取は期待できません。

保存状態が良い

保存状態の良し悪しはかなり重要なポイントであるため、査定時には虫食いや汚れ、シミの有無などを細かくチェックされます。

どんなに高級な反物であっても、保存状態が悪いと査定額が大きく下がってしまうこともあるため注意が必要です。

有名作家・有名産地の作品

反物は、有名作家の作品や有名産地で織られたものが高価買取されやすいです。

中でも、人間国宝の「上野為二」や「木村雨山」、友禅染の有名作家である「羽田登喜男」、数々の染織品を世に出した「浦野理一」などの作品は高値で取引される傾向にあります。

最近の作家の作品でも、人気や知名度のあるものは査定額が上がる可能性が高いです。

また、有名な産地で織られた反物も高価買取が期待できます。

とくに、茨城や栃木で生産されている国の重要無形文化財「結城紬」、奄美大島を中心に生産されている伝統的工芸品「大島紬」が有名で価値が高いとされています。

他にも、京都の「西陣織」、福岡の「博多織」、石川の「加賀友禅」なども有名で比較的高値がつきやすいです。

証紙がある

大島紬や結城紬などの伝統工芸品や作家物の反物には、「証紙」が付属しています。

証紙は反物の名刺のような存在で、反物の作家や産地、素材、染め方、織り方などが記されています。

反物の価値がひと目でわかり、作家物や伝統工芸品であるという証拠にもなるため、高額買取につながりやすいです。査定の際は必ず一緒に提出するようにしましょう。

反物を高く買い取ってもらうには？

どれだけ良い反物であっても、思ったよりも値段がつかないというケースも多いです。

ここでは、少しでも買取価格を上げるポイントをご紹介していきます。

保管状態に気を配る

反物は布ですので、保管状態が良くないと虫食いやカビが発生し、生地が劣化してしまいます。反物は新品に近ければ近いほど査定時の評価も上がりやすいため、虫食いやシミ、汚れなどは査定額を下げる要因となります。

湿気には、「たとう紙」という着物用の吸水紙で包むことで対策しましょう。

虫食い・カビに対しては、数ヶ月に一度は虫干しを行い、普段は着物用の防虫剤を使用して対策すると良いでしょう。

シワ対策には、保管場所に余裕をもつなどして気をつけるほかありませんが、どうしてもシワがついてしまった場合は慎重にアイロンをかけましょう。

付属品も一緒に提出する

査定時には、証紙や箱、取扱説明書、小物などの付属品も一緒に出しましょう。

付属品が揃っているほうが買い手がつきやすいため、査定額がアップしやすい傾向にあります。

相場を調べておく

反物の買取相場をまったく知らない状態だと、査定時に相場より安い金額を提示されても気づくことができません。

相場を知っておけば安く買い叩かれずに済むため、ある程度の相場をネットなどで調べておくことをおすすめします。

下記コラムでも、着物を高く売るコツや保管方法をご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

買取業者の選び方

反物を少しでも高く売るコツなどをご紹介しましたが、いくら自分が気を配っていても、買取店がきちんと価値を理解してくれなければ意味がありません。

ここでは、買取業者の選び方のポイントをご紹介していきます。

着物の買取専門店に査定を依頼する

反物を買い取ってもらう際は、リサイクルショップではなく、着物や和服の買取専門店に依頼しましょう。

反物の価値を見極めるには、専門の知識が必要です。

さまざまなジャンルの商品を取り扱うリサイクルショップには、着物の専門知識をもつスタッフが在籍していない可能性が高いです。

そのため、数千円～数万円の価値があるものでも、数百円ほどの査定額しかつけてもらえないおそれがあります。

少しでも高く売りたい方は着物の買取専門店で査定してもらうことをおすすめします。

複数の買取店で査定してもらう

反物を売る際は、複数の買取店に査定を依頼し、買取額を比較してみましょう。

反物は買取相場の振れ幅が大きいため、買取店によって査定額の差が大きく出ることも多いです。

少しでも高く売りたい場合は、複数の買取店に見積もりを依頼し、一番高い査定額を出してくれたところに買い取ってもらいましょう。

まとめ

反物は素材や状態、作家や産地などによっても買取価格が変動しやすい商材です。

着物だけでなく和小物をつくるなど幅広い用途で使えるため、着物よりも高く売れる傾向があります。

リサイクルショップで売却してしまうと損をしてしまう可能性があるため、着物の買取専門店で査定してもらうことをおすすめします。

ここまでご覧いただきありがとうございました。