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フランス人形の買取価格を左右するポイントは?高く売れる特徴まとめ

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2024年5月27日
フランス人形の買取価格を左右するポイントは?高く売れる特徴まとめ
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ライター

ひらばやし

大きな瞳や白い肌、豪華なドレスなどが魅力で、現在も多くのコレクターから人気を集めるフランス人形。
このコラムでは、高く売れやすいフランス人形の特徴などについてご紹介しております。
フランス人形は製造方法やパーツなどにも違いがあり、それによって買取査定での評価も大きく左右されやすいです。
お持ちのフランス人形の売却をお考えの方は、ぜひ当コラムを参考にしていただけたら幸いです。

フランス人形とビスクドールはどう違う?

「フランス人形」という呼び方は日本で誕生したもので、現在フランス人形と呼ばれている人形の多くは「ビスクドール」に当てはまります。

精巧なビスクドールの製造技術や文化がフランスを中心に発展したことや、優れたブランドがフランスに多いことから、別名「フランス人形」と呼ばれるようになりました。

“ビスク”とは、フランス語の”ビスキュイ(二度焼き)”が語源とされており、二度焼きした陶器人形は基本ビスクドールです。

ビスクドールの中でも、100年以上の歴史があるものはアンティークドール、小さな子どもを模したものはベベドールと呼ばれることもあります。

高く売れやすいフランス人形の特徴

ここでは、高値がつきやすいフランス人形の特徴をご紹介しますので、お持ちのフランス人形に当てはまるかどうかチェックしてみてください。

有名ブランド

有名ブランドのフランス人形は高価買取が期待できます。

その中でも人気が高い「ジュモー」、「ブリュ」、「ゴーチェ」の3ブランドについてご紹介いたします。

ジュモー

「ジュモー」は、1840年代にフランス・パリ郊外で誕生した工房です。

ジュモーの人形は、憂いに満ちた優しげな顔立ちと、豪奢かつ繊細な衣装が魅力です。

創始者のピエール・ジュモーとエミール・ジュモー親子の手によって数々の人形や衣装が生み出され、ロンドンやパリの博覧会で多くの賞を受賞。その技術力の高さは現在も高く評価され、人気を博しています。

ブリュ

「ブリュ」は、経営者で職人のレオン・カシミール・ブリュが立ち上げた、フランス最大級の規模を誇る工房の一つです。

ブリュの人形は、精巧で気品あふれる仕上がりが魅力で、とくに涼やかな目元の美しさは多くのファンから支持されてきました。繊細な虹彩を持つガラス工芸、”ペーパーウェイトグラスアイ”は、その美しさから『ブリュの瞳』という二つ名がつけられています。

また、関節を自由に動かしてポージングが可能な、パテントと呼ばれる木製ボディの特許も取得しています。

ゴーチェ

「ゴーチェ」は、フランソワ・ゴーチェがフランス・パリ郊外に設立した工房です。

頭部の製造に長けており、その技術力の高さはビスクドール頭部の製作に関する特許を取得するほど。ジュモーをはじめ、多くのブランドから納品依頼が来ていたとされています。

ゴーチェの人形は、やわらかい表情と繊細な作り込みが魅力的で、現在も多くのファンから愛されているブランドです。

精巧に作られている

フランス人形の査定では、その人形自体の出来の良し悪しが必ずチェックされます。具体的には、ドールの見どころでもあるフェイス(顔)・アイ(目)・ボディ(体)・衣装の出来が査定のポイントです。

  • フェイス(顔):表情の繊細さ・美しさ
  • ボディ(体):木製や革製など素材の種類
  • アイ(目):目のつくり、技術の高さ
  • 衣装:素材や状態

上記のような点が主に評価基準となり、これらを総合して出来栄えが良いと評価されれば高価買取が期待できるといえるでしょう。

サイズが大きい

フランス人形の査定に影響を与える要素の一つに、人形のサイズがあります。

一般的に、サイズが大きいほど査定額は高くなりやすいです。

実際はブランドや制作年代、保存状態なども加味した上で買取価格を算出するため、サイズだけで買取価格を予想することは難しいかもしれませんが、1つの要素として覚えておくと良いでしょう。

サイズが小さいものでも、人気ブランドや保存状態の良い人形であれば高価買取につながるケースもあります。

製造方法やパーツでも買取価格が変わる?

フランス人形には、製造方法やパーツの違いがあり、その違いによっても買取価格が左右されます。

ここでは、「製造方法」「目」「口」の3つの観点からフランス人形の分類を見ていきましょう。

製造方法による分類

プレスドビスク

「プレス(押す)」の通り、原料の粘土を人形の型に押し込んで成形し、焼き上げていく製造方法です。手間のかかる昔ながらの方法ですが、そのぶん細部まで職人の手が入り、精巧な仕上がりになります。

制作年代の古いフランス人形に見られる製造方法であることから、価値の高いものも多いです。

ポアードビスク

ポアードビスクは、量産しやすい液状ポーセリン(磁器)を型に流し込んで焼き上げる製造方法です。手間のかかるプレスドビスクの代わりとして用いられはじめた方法で、一度に多くの人形を生産できます。

現在は大量生産が可能なポアードビスクが主流となって、プレスドビスクで生産したドールと比べると買取価格は下がってしまう傾向にあります。

口の特徴による分類

クローズドマウス

クローズドマウスは、口が閉じているタイプのフランス人形のことをいいます。一口に”閉じている”といっても、真一文字に結ばれているものから微笑んでいるものまで、作品によりさまざまな違いが見られるのが魅力の一つです。

クローズドマウスは制作年代が古いドールに多く、希少価値が高いことから、骨董品として高値がつくものも存在します。

オープンマウス

オープンマウスは、口が開いているタイプのフランス人形です。

口の中は、赤い布や紙を貼ってあるだけのものから、小さな舌や歯が緻密に作られているものまで、作品によってさまざまです。

もともとはクローズドマウスが主流でしたが、時代とともに製造技術が向上し、口の中の緻密なつくりのオープンマウスが主流となっていきました。

オープンクローズドマウス

今にも口を開けて話し出しそうな唇の造形になっているフランス人形のことで、ブリュのドールでよく見る特徴です。

口に穴は開いておらず、口の中は唇と同色または唇より濃い色で彩色されていることが多いです。

目の特徴による分類

ブロウアイ

「ブロウ(吹く)」の名の通り、熱したガラスに息を吹き込み、ふくらませて球状にしたものに瞳を描いてつくられたドールの目のことです。

数ある目の製造方法の中では比較的シンプルな方法で、眼球の中が空洞なので軽く、加工しやすいという特徴があります。

他の方法と比べてあまり上等なつくりではないとされており、ジュモーやブリューといった一流ブランドで用いられることはほとんどありません。

ペーパーウェイトアイ

ペーパーウェイトとは「文鎮」を意味し、ペーパーウェイトアイはガラス文鎮を作る技術を用いて作られたドールの目のことです。

白い眼球の土台に色ガラスで虹彩を描き、そこに透明度の高い半球状のガラスを載せた構造になっており、ドールの視線が追ってくるかのように見える”追視効果”や、比較的光を拾いやすいなどの特徴があります。

その中でもアーモンド型の眼球は「オーバルタイプ」、円形の眼球は「ラウンドタイプ」と呼ばれています。グラスアイの中でも、ペーパーウェイトアイは最高峰の技法とされており、本物の瞳のような美しく繊細な輝きが魅力です。

スリープアイ

スリープアイは、まぶたが開閉できる仕掛けが施されたドールの目のことです。

たとえば、人形を仰向けに寝かせるとおもりが動いてまぶたが閉じるなどの仕組みがあります。

このスリープアイは、子どもに人気の玩具用の人形に用いられていることが多いです。

まとめ

  • フランス人形の中でも、有名ブランドのものや精巧につくられたもの、サイズが大きいものは高く売れやすい傾向にある。
  • 製造方法や目・口の作られ方でも買取価格は左右され、基本的に古い時代の希少な製造方法や、手間や技術の必要な方法は評価が高くなる。

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