博多人形は売れない?高く売れる博多人形の特徴と買取業者の選び方
400年の歴史を誇る『博多人形』は、豊かな表情や繊細な彫り込み、素焼きの土に彩色される落ち着いた色彩美が魅力。
お土産や記念品、お祝いごとの際に贈られることもあり、種類の豊富さも特徴の一つです。
本コラムでは、博多人形の買取事情などをご紹介していきます。
さまざまな事情で、博多人形の処分をご検討中の方はぜひ最後までご覧いただけたら幸いです。
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博多人形は売れる?
博多人形とは、福岡県博多地区の伝統工芸品の一つで、粘土を原料とした素焼きの人形に泥絵具で彩色したもののことです。
博多人形には、骨董品や美術品として価値の高いものもあるため、捨ててしまうより買取に出したほうが得をするケースもあります。
博多人形は基本的に買取が難しい傾向にあり、値段がつかないものも多いです。しかし、きちんと値段がつく博多人形もありますので、「ゴミとして捨てるのは気が引ける」という方は買取も検討してみることをおすすめします。
博多人形の種類
博多人形の種類は非常に多く、幅広いジャンルの作風が楽しめるところも大きな魅力です。
市場でもよく取引されている博多人形の主な種類とその特徴をご紹介していきます。
博多人形の種類 | 特徴 |
---|---|
美人もの | 美しい女性をテーマとした、博多人形の代表格。 優美さや艶が魅力で、時代の「美人」の移り変わりとともに人形の表現も変化している。 |
能もの | 日本の古典芸能「能」の演目をテーマとした博多人形。 |
歌舞伎もの | 現代歌舞伎の芝居を題材とした、豪華絢爛な博多人形。 |
武者もの | 武者(黒田武士)の勇壮さや力強さを表現した博多人形。 |
縁起もの | 五穀豊穣・無病息災・商売繁盛などの祈りが込められた博多人形。 恵比寿、大黒天などの七福神や、福助・お福などが有名。 |
童もの | 可愛らしい童姿の博多人形で、愛好家人気も高い。 美人ものと並び、時代の変化を採り入れた表現に変化している。 |
節句もの | 雛人形や五月人形など、子どもの健やかな成長を願う節句にちなんだ博多人形。 |
道釈もの | 仏教や道教にまつわる説話を題材とした博多人形。重厚で存在感のある作品が多い。 |
干支もの | 干支を題材とした縁起物の博多人形。 干支の置物は一年間家を守ってくれるとされており、贈り物としても人気が高い。 |
老人もの | 長寿の願いが込められた、おじいさん・おばあさんの博多人形。 祖父母への贈り物としても人気が高い。 |
高く売れやすい博多人形の特徴
博多人形は、高く売れやすいものとそうでないものがあります。
高価買取につながりやすい博多人形にはどのような特徴があるのかをみていきましょう。
有名作家や人間国宝が手がけた作品
博多人形でまず買取価格がつきやすいのは、有名な作家や人間国宝に認められた作家が手がけた作品です。
とくに人間国宝が手がけた人形は高い技術が用いられており、コレクターからの人気も高いです。
中村信喬、井上あき子、宗田源造といった知名度の高い作家は、数万円~十万円以上の買取価格が期待できる作品もめずらしくありません。
なお、博多人形の作家は数多く存在し、作家やその作品によっても買取相場は大きく異なります。
博多人形は作家の数が多いこともあり、無名作家の高価買取が難しい反面、有名作家の作品は市場での需要が高いです。
保存状態が良好
古い博多人形は、色褪せなどの経年劣化や、修理や修繕の跡が残っているものもあります。
価値の高いものであれば、傷や汚れによる多少の減額があったとしても、買取不可になることは少ないです。
しかし、目立つ汚れや欠損、塗装の修復跡などがあると、買取額が大きく減額または買取不可になる可能性が高いです。
ダメージの大きい博多人形を買取に出す際は、もし欠けたパーツが残っている場合は一緒に買取に出すと良いでしょう。
博多人形をお手入れする際の注意点
・博多人形に触れる際は素手ではなく、紙や布をあてて扱うようにしてください。
・汚れや欠けなどを無理に修繕しようとするとかえって状態が悪くなるおそれがあるため、ほこりを払う程度に留めましょう。濡れた布などで拭くこともおすすめしません。
・ほこりは拭き取るのではなく、やわらかいハケのような穂先で軽く撫でるように払うと良いでしょう。
箱や付属品が揃っている
博多人形には一般的に、外箱や内箱、作者名などが書かれた札、証明書(保証書)などが付属しています。作品によってはガラスケース付きのものもあります。
こうした付属品は、その作品の詳細を知るための重要なアイテムなので、査定額アップにつながることが多いです。そのため、付属品をお持ちの方は、もし状態の良くないものでも必ず一緒に査定に出すことをおすすめします。
また、ガラスケースの有無は博多人形本体の価値に直接影響することは少ないですが、高級な博多人形の場合はきれいに保管するために有効であるため、ガラスケースがあったほうが買取価格が上がることもあります。
胡粉(ごふん)で彩色されている
胡粉(ごふん)とよばれる白色の顔料で彩色された博多人形も高く売れやすい傾向にあります。
博多人形は本来胡粉が用いられていましたが、昭和初期に大量生産が行われた際、胡粉での生産が間に合わなくなったため、やむなく科学塗料で彩色を行なうこととなりました。
そのため、現在安く販売されている博多人形のほとんどは科学塗料で彩色されたものです。
昔ながらの胡粉で彩色されている当時の博多人形であれば、高い買取価格がつくものも多いです。
他にも、戦前につくられた古い博多人形の中には、胡粉以外の価値の高い材料を使っているものもあり、現存数も少ないため高く買い取ってもらえる可能性があります。
入手経路が明確
博多人形の価値をはかるにあたって、入手経路がはっきりしているかどうかは重要なポイントとなります。
いつ・誰から・どのような状態で購入した・譲り受けたなど、手に入れたルートを分かる範囲で確認しておくと良いでしょう。
「骨董品収集家がコレクションしていたもの」「骨董品市やオークションで高額で購入した」「旧家から良いものだと言われて譲り受けた」など、まさに高級品が手に入りそうなルートであるほど高価買取が期待できます。
買取業者の選び方
博多人形の買取業者は、以下の基準で選ぶと良いでしょう。
- 人形の買取実績が豊富
- 出張買取に対応
- 手数料が無料
博多人形は知識や経験がないと適切な査定をしてもらえない可能性が高いです。買取業者のホームページなどにこれまでの買取実績などが掲載されていることもありますので、一度チェックしておくと良いでしょう。
また、博多人形は繊細につくられているため、持ち運びの際は丁寧に梱包する必要があります。出張買取であれば、査定士が自宅で直接査定してくれるため、梱包の手間や破損の心配もありません。
買取の際、出張料や査定料、キャンセル料がかかってしまうと、もし買取をキャンセルしたい場合に損をしてしまうことになります。そのため、手数料がすべて無料の買取業者を選ぶと良いでしょう。
まとめ
- 博多人形は骨董品や美術品として価値の高いものもあり、買取に出したほうが得をする場合もある。
- 「有名作家の作品」「保存状態が良好」「付属品が揃っている」「胡粉で彩色されている」「入手経路が明確」に当てはまる博多人形は高く売れやすい傾向にある。
- 買取業者を選ぶ際は、買取実績や買取方法、各種手数料の有無なども確認すると良い。