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ユリス・ナルダンは知る人ぞ知る名門ブランド!買取率はどれくらい?

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2024年2月27日
ユリス・ナルダンは知る人ぞ知る名門ブランド!買取率はどれくらい?
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ライター

ひらばやし

1864年に創業した名門時計ブランド『ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)』は、装飾技法の美しさや前衛的なデザインで度々時計業界を驚嘆させています。
知名度こそ高くありませんが、他のブランドではなかなか味わえないユリス・ナルダンならではの独創性が魅力で、時計愛好家たちからも絶大な人気を集めています。
今回は、ユリス・ナルダンがどんなブランドなのかご紹介するとともに、人気のコレクションや気になるリセールバリューについてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

ユリス・ナルダンはどんなブランド?

ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)は、スイス時計の聖地であるル・ロックルにて1846年に創業した名門時計ブランドです。

大々的な広告を打ち出していないこともあって知名度はあまり高くありませんが、通好みの時計ブランドとして時計玄人から高い支持を得ています。

長年培ってきた技術力を活かして洗練された時計を淡々と作り出す、”いぶし銀”的ブランドと言ってもよいでしょう。

古くは船舶用時計で大きなシェアを占めたこともあって、文字盤には「錨(いかり)」のマークがブランドの象徴として描かれており、現在も海とのつながりを感じさせる時計を製作し続けています。

古くは船舶用時計・懐中時計のトップブランド

ユリス・ナルダンは、1846年の創業当時から、複雑機構を備えた懐中時計で高い評価を獲得していました。

また、当時は海洋探索や国際貿易が盛んだったこともあり、船舶用時計の『マリーン・クロノメーター』を開発し、さらに人気と知名度を上げていきます。

ブランドのフラッグシップでもあるこのモデルは、さまざまな素材やパーツを組み合わせた造形美が魅力で、ブランドの歴史を凝縮した一本ともいえるタイムピースです。

日本の「戦艦三笠」にも採用された名品で、ユリス・ナルダンを語る上で欠かせない存在です。

天文三部作で復活

1970年代の”クォーツショック”により、ユリス・ナルダンも大打撃を受けることとなりました。

クォーツショックとは、日本の時計メーカー「セイコー」がクォーツ式時計を開発したことで起きた一連の出来事のことをいいます。

クォーツ式時計は、価格だけでなく精度においても機械式時計をはるかに凌駕することとなったため、機械式時計は徐々に下火となり、スイスの時計産業は低迷していきました。

消滅寸前まで追い込まれたユリス・ナルダンは、投資家のロルフ・W・シュナイダーに買収されるかたちで、復興へと動き始めます。

天才時計師で物理学者のルートヴィヒ・エクスリン博士の協力のもとユリス・ナルダンは「アストロラビウム・ガリレオガリレイ(1985年)」、「プラネタリウム・コペルニクス(1988年)」「テリリウム・ヨハネスケプラー(1992年)」の”天文三部作“とよばれるコレクションを発表。

これらは、文字盤で太陽・月・星座を見る”天文時計”を腕時計サイズにしたもので、複雑な機構を埋め込んだ、まるで芸術品のような機械式時計でした。

当時はクォーツ式時計が主流だったこともあり、機械式の超複雑時計「ガリレオガリレイ」の登場には業界中が驚嘆します。第一作のガリレオガリレイは『世界一複雑な機構を持つ腕時計』としてギネスブックに掲載され、歴史的名作として現在も語り継がれています。

ユリス・ナルダンの人気コレクション

ユリス・ナルダンが誇る数々のコレクションは、最高級の品質と美しいデザインでどれも安定した人気があります。

ここでは、ユリス・ナルダンの中でも人気の高いコレクションをご紹介していきます。

フリーク(Freak)

2001年に誕生した「フリーク」コレクションは、ユニークで自由な発想の時計が揃う、ユリス・ナルダン屈指のハイエンドモデルです。

フリークの最大の特徴は、時分針がなく、”ムーブメントそのものを針にする”という前代未聞のギミック。ムーブメント自体が回転して時刻を表すという前衛的な仕組みになっており、その型破りなデザインは大きな注目を集めました。

価格が1000万円を超えるモデルも多く、ユリス・ナルダンの最高峰の技術が集結したタイムピースです。

ブラスト(Blast)

2020年に発表された比較的新しいコレクション「ブラスト」は、スケルトンな文字盤から覗く「X」をかたどったブリッジが特徴的で、まるで宙に浮いているかのように見えます。

複雑で力強い幾何学的なモザイク模様は、ステルス偵察機をイメージさせる非常に独創的なデザインをしています。

ダイバー(Diver)

「ダイバー」は、ねじ込み式リューズや逆回転防止ベゼル、300mの防水性能などを備えたハイスペックなダイバーズウォッチです。

過酷な状況での使用も想定された、非常に視認性の高いベゼルとインデックスも特徴的。

スタイリッシュなデザインでファッション性も高く、スポーツシーンだけでなく日常使いでも活躍してくれます。

マリーン(Marine)

ユリス・ナルダンのフラッグシップであり一番人気のコレクションでもある「マリーン」。

船舶用時計の名作『マリーン・クロノメーター』をオマージュした文字盤に、幅の狭いベゼル、そしてコインエッジのケースが特徴的です。

クラシカルで品のあるデザインでありながら、最新のムーブメントを搭載した非常にハイスペックなコレクションです。

クラシコ(Classico)

「クラシコ」は、その名の通りクラシックなデザインが特徴的なドレスウォッチコレクションです。

無駄なものを省いたシンプルなモデルが多いため、どのようなシーンでも活躍するタイムピースとして高い評価を得ています。

他にも、エナメル加工や繊細な彫り加工などが施された芸術性の高いモデルや、文字盤に船の絵を描いたものなど独創的なモデルもラインナップしています。

サンマルコ(San Marco)

かつての看板コレクション「サンマルコ」は、時計本来の美しさを追求した、無駄のない洗練されたデザインのコレクションです。

現行モデルと比べると小ぶりなサイズ感ですが、丸みを帯びたラウンドフォルムやクラシカルで上品なデザインが存在感を放つ名品です。

ユリス・ナルダンのリセールバリューは?

高級時計は高価で資産価値が高いことから、買取率(リセールバリュー)が重視されることも多いです。ユリス・ナルダンも高級時計ブランドの一つですので、どれくらいの水準なのか気になる方もいらっしゃることでしょう。

結論からお伝えすると、ユリス・ナルダンのリセールバリューは40%~50%ほどで、高級時計ブランドの中では平均的な水準となっています。

ただし、モデルによっては80%以上の買取率を誇るものもあり、買取率の高いロレックス(ROLEX)と同等の水準です。

基本は平均的な買取率ではありますが、一部モデルは業界トップクラスの高い資産価値があるといえるでしょう。

まとめ

  • ユリス・ナルダンは、船舶用時計のトップブランドとして高い評価を獲得し、現在も海とのつながりを感じさせる高精度の時計を製作し続けている。
  • クォーツショックにより大打撃を受けたが、まるで芸術品のような複雑な機械式時計”天文三部作”を発表し、ギネスに掲載されるほどの歴史的名作となった。
  • リセールバリューは40%~50%ほどと高級時計ブランドの中では平均的な水準だが、一部モデルは80%以上の高い資産価値がある。

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